石川県で木の住まいづくり

建築士であり大工であること

職人の気持ちがわかる建築士でありたい

私は建築士であり、実際に現場で仕事をする大工です。

家づくりは、図面だけでは完成しません。
そこに関わる多くの「人の手」と「想い」が重なって、はじめて一棟の建物になります。

建築士として仕事をしていると、
「設計者」と「職人」は分けて考えられがちですが、
本当に良い建築をつくるためには、職人の気持ちがわかる建築士であることが欠かせないと感じています。


図面の先にある“現場”を想像する

図面は、建物の完成形を伝えるための大切なツールです。
しかし、線一本、数字一つの裏側には、
実際にその作業を行う職人の手間や工夫があります。

「この納まりは現場で無理がないか」
「この寸法は施工しやすいか」
「この仕様は本当に意味があるのか」

図面を描くとき、常に現場での動きを想像するようにしています。
それは、職人の負担を減らし、品質を高めることにつながるからです。


職人のひと工夫が、建物の質を上げる

現場では、図面通りにいかないことも少なくありません。
そんなとき、職人は経験と知恵を使って最善の方法を考えてくれます。

「こうした方がきれいに仕上がる」
「この方が長持ちする」

そうした声に耳を傾け、柔軟に設計へ反映することで、
建物はさらに良くなっていきます。

設計と施工は対立するものではなく、協力し合うもの。
その姿勢こそが、住まいの完成度を高めると考えています。


現場を知ることは、設計の引き出しを増やすこと

現場に足を運び、職人と会話を重ねることで、
教科書やCAD画面だけでは得られない学びがあります。

  • なぜこの順番で施工するのか
  • どこに注意しないと不具合が出やすいのか
  • 手を抜けばすぐに分かってしまうポイントはどこか

こうした知識は、次の設計に必ず活きてきます。
現場を知る建築士ほど、説得力のある設計ができるのです。


お施主様の想いを、職人へ正しくつなぐ役割

建築士は、お施主様の要望を形にするだけでなく、
その想いを職人へ正確に伝える通訳のような存在でもあります。

「なぜこの部分にこだわっているのか」
「どんな暮らしを実現したいのか」

背景まで共有できた現場は、不思議と空気が変わります。
職人の仕事にも自然と熱が入り、
結果として建物の完成度が上がっていきます。


まとめ:人を理解する建築士であり続けたい

建築は、人がつくるものです。
だからこそ、人を理解することが何より大切だと思っています。

職人の気持ちがわかる建築士であること。
それは、現場を尊重し、対話を大切にし、
一棟一棟に誠実に向き合うこと。

その積み重ねが、
「長く愛される建物」
「安心して暮らせる住まい」
につながると信じています。