石川県で木の住まいづくり

能登半島地震を乗り越えて──津幡町に完成したベースギター工房「奏弦工房」新社屋が完成しました

「奏弦工房(かなでげんこうぼう)」様の新社屋

石川県津幡町にて、手作りのベースギターを製作する「奏弦工房(かなでげんこうぼう)」様の新社屋が完成しました。

奏弦工房のM様は、能登半島地震の影響により、工房として使用していた旧家屋が半壊
やむなく事業の中断を余儀なくされましたが、再び音を生み出す場所を取り戻すため、工房再建の計画が動き出しました。

お施主様との出会い|木を愛する職人同士のご縁

国の補助金制度を活用しながら工房再建を進めるにあたり、
知り合いづてのご縁から、今回のプロジェクトのお話をいただきました。

M様とは、初めてお会いしたときから自然と木材の話題で意気投合。
無垢材を削り出して作るベースギターの工程や、音と木の関係性など、
建築とはまた違う「木の世界」の奥深さに、強く惹かれました。

初めて耳にする海外木材の名前や、
一本の木から楽器を生み出すM様の高い技術力と器用さには驚かされるばかりでした。

「奏弦工房(かなでげんこうぼう)」様の新社屋

焼杉のご提案|工房らしさを表現する外壁材

「奏弦工房(かなでげんこうぼう)」様の新社屋外観

当初の打ち合わせでは、外壁材としてガルバリウム鋼板を使用する予定でした。

しかし、お施主様の木材への深い愛着や、
工房としての雰囲気をより引き立てる素材を検討する中で、
外壁には焼杉をご提案させていただきました。

愛媛県の共栄木材さんに制作していただいた焼杉は、
独特の光沢と深みのある色味が特徴で、
工房の個性を感じさせる、とても渋い仕上がりとなりました。

特徴的な外壁の雰囲気をM様にも大変気に入っていただけたことが、何より嬉しかったです。

「奏弦工房(かなでげんこうぼう)」様の新社屋外観

アプローチ部分には、ラオス松の無垢板を使用し、
外観のアクセントと高級感を演出しました。

大きな軒のある設計のため、外壁に直接雨が当たらず、
耐久性を考慮した材料選びができた点もポイントです。

エントランスは、どこかカフェのような佇まいになり、
私自身もとても気に入っている部分です。

作業しやすさを追求した内装計画

「奏弦工房(かなでげんこうぼう)」様の新社屋

内部の壁面にはOSB合板を採用しました。

傷がつきにくく、プラスターボードと違って
どこにでも金具や棚を取り付けられるため、
作業室として非常に使い勝手の良い材料です。

見た目にも明るく、表面がつるつるしているため汚れにくいのも特徴です。

床はコンクリート土間仕上げとし、
工房内は全フロア土足で移動可能な仕様に。

これから広い工房に、さまざまな加工機や機材が搬入されるのが楽しみです。

「奏弦工房(かなでげんこうぼう)」様の新社屋

造作建具で使い勝手を向上

「奏弦工房(かなでげんこうぼう)」様の新社屋

建具は造作とし、引き戸をメインに計画しました。

開き戸に比べて動線を邪魔せず、
工房空間では特に使い勝手の良さを実感できるポイントです。

お施主様からのご感想

お互いに「木」が好きという共通点もあり、
プランニングは終始スムーズに進行。
補助金申請のお手伝いも含め、二人三脚で進めた建築計画となりました。

竣工後、完成した工房をご覧になったM様から
感動した」というお言葉をいただけたことが、何より印象に残っています。

後日、改めて詳しいインタビューも予定しています。

奏弦工房様、新工房の完成、誠におめでとうございます。